息子が嫌いな物
椎茸の裏 肉まんの裏 マットな印刷物を引っ掻く音 年末年始、日本に帰った時、実家には椎茸の盆栽があった。そしてそれはお正月に母が孫たちと収穫をしようと思っていた物だ。母は、そんな事が大好きで、今までも、プチトマトやさくらんぼ等を度々用意していたが、トマト嫌いだったり、酸っぱいもの嫌いだったりする家の息子は、素直に喜んだ事がない。 そして、今度も。いとこたちと椎茸をひとつづつ取った後、息子、いやー!と叫ぶ。 何事かと聞くと、これ、気持ち悪ーい、とまた叫ぶ。なに、なに、と聞くと、『椎茸の裏気持ち悪ーい』と叫ぶ。それが始まりで、香港に帰って来てからも、恒例と成りつつある週末の息子と朝ご飯を作りのときに、しめじの裏を見て『気持ち悪ーい』と叫びながら包丁で叩くようにみじん切り。 やはり、日本で夫が大好きな○村屋の肉まんを買って食べていた時の事。下の紙を剥がすと、また『気持ち悪ーい!』と叫ぶ。なんで、と聞くと『鳥がちゅんちゅんしたみたい(鳥がくちばしでつついたみたいという事らしい)だから、いやだー!』と。肉まんが膨らんだ時の気泡が、紙を剥がすと、裏の部分だけ見えるのである。なるべく見ないようにしながらも、時々おそるおそる見て、また『いやだー!気持ち悪ーい!!』と叫ぶ。 またある日、息子と昼寝をしながら本を読んでいると、私がページをめくった時に表紙を引っ掻いてしまったら、『その音、気持ち悪ーい』という。なんでと聞いても、『その音ヤダー!』というばかり。 そういえば、私も子供の頃から、気持ち悪ーいものがいくつかある。音は、金属同士のぶつかる音、これは、絶対だめで、今でも料理をする時にステンレスのボールでステンレスの泡立て器を使えない。家のボールはもう何年も前から、大きめのラーメンどんぶりで、泡立て器も、泡立てる部分に樹脂のカバーがあるものを使っている。母にも、妹にも、友達にも変わっていると言われたが、こんな音が大丈夫な人にびっくりしていた。そして、定期的に並んだドットにも、肌が粟立つような、気持ち悪さを感じていた。子供の頃、車の窓から見えた、高速道路の両壁の凹凸のあるドットがあるところでは、外を見ないようにしていた。さすがに今は見てももう何ともないが。 気持ち悪ーいといいながら、もう一度、おそるおそる見たりやってみたりと、恐いものみたさな仕草の息子を見ていると、かなりおかしい。
by hisa-i
| 2009-01-29 06:35
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