香港に来てから、初めて知った蟹がある。黄油蟹である。
日本では、蟹というと、毛ガニ、ずわい蟹、たらば蟹など、大きく、身もぷりっとしたものが高級だが、香港の高級な蟹は上海蟹に代表されるような、大きめのワタリガニくらいのものである。どうやら、蟹の身と言うよりは、蟹味噌の味の方を重要視するらしい。 黄油蟹は上海蟹より少し前の6月から9月上旬の短い期間に食べる事ができる。かなり高級で、私が7月ころの食べたお店では、1パイ500ドル(約7000円)だった。同じお店で上海蟹が250ドル程だということと、またワタリガニのような外見を考えるとべらぼうに高い!!! この蟹は、上海蟹のように主に味噌が美味しいだけでなく、身の方も黄色がかり味噌の味が身の方にも染みついている。とても美味しい。英語ではイエロークリームクラブ(英語じゃなくて、カタカナじゃない!という突っ込みはしないように!)というとおり、味噌の味が染み付いた身はとろけるような味だ。 この期間限定の高級蟹の季節が終わろうとしているこの時期、気軽にこの味を楽しむ事ができる。 蟹粉小龍包である。 先日香港に住む母親たちの飲茶を食べる会(=飲茶会)で食べたこの小龍包は、小さい蒸篭に一つずつ供される。22ドル(約300円)也。こちらも又、普通の豚肉の小龍包に比べると2倍?3倍?くらいの価格だ。 私達の座っていたテーブル8人全員分をオーダー。最初に汁だけ少し吸って、そのあとぱくっと一口、クリーミーな蟹の風味が口一杯にジワっと広がる。 「美味しかった」と堪能していたら、向いに座っていた友達が、「美味しいけど、たこ焼きに似ているね」と一言。そ、そういえばそうとも言えるかも。随分高いたこ焼き味の小龍包である。 おいしい蟹粉小龍包はそろそろ終わってしまうのだが、食べたくなったら、たこ焼きを食べればいいと言う事なのだろうか。ちょっと複雑。
by hisa-i
| 2005-09-16 03:35
| 香港生活
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